【コラム #02・後編】ATTRACTIONS西崎さんがこだわる、細部に渡る美意識とは。

【コラム #02・後編】ATTRACTIONS西崎さんがこだわる、細部に渡る美意識とは。

ATTRACTIONS西崎さんがこだわる、細部に渡る美意識とは。

 

このコラムでは、当店でお取り扱いしているブランドの「コア」な部分を掘り下げて、作り手ご本人に直接インタビューさせて頂き、ブランドの持つ独自性や背景に迫っていきます!

 

前編では、BILTBUCKのエンジニアブーツが誕生したきっかけから、定番品にも改良を重ねていくお話まで、西崎さんのこだわりに圧倒されました。

「やっぱり、お客さんに喜んでもらいたいです。」

その言葉に続いて伺ったのが、撮影のお話。モデルのオーディションから、テスト撮影まで、ここにもじっくりと時間をかけているそうです。





撮影の細部にまで現れる西崎氏の世界観とは


林:さっきさらっと聞きましたけど、毎回ご用意されているカタログに写っているモデルさん、オーディションをしてるんですね。


西崎代表:そうですね。2か月前にサンプルを上げて、物撮りをしながら合間でオーディションを行って。スタイリストさんと「今回、こんなモデルがいいかな・・・」と。大体30人くらいオーディションして、その中で決めるんです。

撮影する前にはテストシュートもするんですよ。モデルさんは当日しか来ないですけど、背景をどうするか、光をどうするかというのを、2日間ぐらい別でやって。それで作るのでだんだん過剰になってこうなっています(笑)


林:自転車とかも写っていますが。


西崎代表:その辺は全部、自分の私物なんです。古い自転車に乗っていて。これはイギリスの、40年代のものです。




林:これ、私物なんですか。


西崎代表:メガネとか、ルックで使っているヴィンテージとかも、全部私物です。


林:ATTRACTIONSという世界観をここまで創りあげているのは凄いですね。





 

わずか0.54mmのバックルピンの違い


今回、特に印象に残ったのが、ここからのお話。

西崎さんのひと言から、話はエンジニアブーツのバックルへ。


西崎代表:エンジニアも、これ言っていないんですけど、バックルのピンを変えたんですよ。


林:ピンを変えたんですか?


西崎代表:今、新型のエンジニアを作っていて。20周年を機に新しいエンジニアを作ろうと思っていて。

それをずっとやっている中で、「あれ、バックルのピン、太さが違うぞ」ってことに気づいたんです。ずっと2mmのピンを使っていたんですけど、よく見ると「これ、2.5mmだな」と。並べてみると全然違って、絶対こっちが格好いいと思ったんです。


でも、日本であるものは、2mmの次が3mmだったんですよ。じゃあ、なんで2.5mmなのかなと考えたら、多分、0.1インチなんですよね。ミリにすると2.54mm。「ああ、これ、0.1インチだ」と。

それで、作るのに必要なロットを聞いたら、めちゃくちゃ多くて。付属屋さんにも「本当にピンを作ります?」と言われたんです。

「真鍮ですか?」と聞かれたので「鉄で」と答えたら、「鉄ですか」と。参ったな、みたいな顔をされていたんですけど。(笑)

それでも「何本でも作るので」とお願いして、大量に作ったんです。今付いているのは、その2.54mmのピンです。




林:このサンプルもそうなんですか。


西崎代表:2.54mmが付いています。2mmと2.54mmは、見たら分かるんですよ。


林:並べたら全然違いますね。


西崎代表:並べないと分からないです。


林:こういうこと、書いても大丈夫なんですか(笑)


西崎代表:いいですよ。こんなのを書き出したら、キャプションがめちゃくちゃ長くなって、格好悪くなるから、あまり書いていないんですよ。


林:こんな裏話があった方が楽しいし、面白いですね。



アップグレードの理由は研ぎ澄まされた感覚にあった


西崎代表:うちは50年代ぐらいまでのイメージなので、メッキもニッケルで。黒も、ここに付くのはやっぱり焼き付けじゃないと。剥がれたりして味が出るので。「クロームじゃ駄目ですか」と言われるんですけど、やっぱり味があるんですよ。

このローパーのバックルも、尖ったDカンをオリジナルで作ったんです。日本にあるものは3ミリ、4ミリしかなくて。4ミリは大きすぎるし、3ミリだと華奢で細くて。見た時に「何か変だな」と思うのは、バランスが悪かったりするんですよ。



林:そういうところは、実際にヴィンテージを見ているからこそ、ですよね。


西崎代表:雰囲気で気づいて、「何か違うな」と調べ出す。まず感覚で気づかないといけない。それがないと、気づかなくて。


こういうソールも、今は普通にEVAというもので作るんですけど、うちはゴム発泡なんですよ。

ゴム発泡はゴムの発泡で、EVAは樹脂の発泡。今はいいEVAもあるんですけど、ゴム発泡はグリップがあって、ちょっと重さが出るんですよ。だから、わざわざゴム発泡を使っているんです。


こういうゴムの素材も、ナイロンとかポリエステルが入らないと強度が弱いんですけど、なるべく光沢を抑えたくて。資材屋さんに行っても、光沢のあるものしか出てこない。昔のものは光沢がないんですけど、伸びきってしまうんですよ。だから「もうちょっと、もうちょっと」と。そしたら、ドイツの編み機で編んでいるものがあって、そこの使っている糸はあまり光沢がなくて。



林:そこまで・・・凄いですね。


西崎代表:聞かれた時だけ話すんです。


林:だからこそ、今があるわけですもんね。


西崎代表:やっぱり納得がいかないと、売るのは失礼ですよね。気づいちゃったら。



ここまでのこだわりがあるからこそ、エンジニアブーツひとつにしても、もの凄いスピードで進化を遂げていく。普段は聞くことの出来ない裏話を沢山聞かせて頂き、改めてATTRACTIONSの志が作品に表れ続けてる理由を読み取ることができました。

西崎さん、今回は本当にありがとうございました♪

 

 

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